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2012年7月22日日曜日

クロちゃん



最近、犬を飼い始めた。




とは言っても、野良犬の1匹に名前をつけただけなのだけど。








クロちゃんがアパートの踊り場に泊まりに来るようになって、しばらく経つ。





3ヶ月ほど前のある夜、家の扉が何かに引っかかって開かないので、


無理やりドアを開ける。


何か黒くて丸いものがズルズル、と向こうへ動いたかと思うと、

暗闇の中でのそりと立ち上がり、面倒くさそうにこっちを見ている。

こちらはぎょっとするのだが、また何事もなかったように、身体を丸めて寝てしまった。

・・・以来のことだ。




極めてもの静かなタイプで、近所でもずいぶん愛されている。

餌をもらってはいろんな家の前で、番犬の“フリ”のバイトをしている。



けれど帰ってくる僕らを見つけると、耳と尻尾を静かに振りながら、一緒についてくる。

雨季の今は何より、雨をしのぐ屋根が大事な訳で、

誰と仲良くすれば良いか、じゅうぶんに心得ているからだ。




いくらか遠慮がちで、吠えもせず、困った顔で見つめられると、

僕らはスーパーで思わず、“ぺディグリーチャム”なんかを買ってしまったりしてしまう。





そうこうしていると、茶色の可愛い彼女を連れてきた。

 数メートルの距離を置いて、上目づかいで、

あのぅ、できればこの娘も泊めてやって欲しいなぁ、というアピールを静かに始める。


あっ、でも無理ならいいんです、

別のところで寝ますから的な「引き」も忘れないから、こっちも辛い。




しなやかに生きるカトマンズの犬たちに、

今のところやられっぱなしの、妻と僕。


今日もふらりとやってきて・・・



重力に、すべてをゆだねる。大の字ではなく、「ヒ」の字になって。





















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