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2012年5月22日火曜日

カトマンズの“鳥説”- ソウゲンワシ

ナガルコットで宿泊したホテルは、

見晴らしの良い断崖絶壁に建っていたから、

夕刻になんとなく望遠レンズでトビを追っていた。



あまり見慣れない鳥がファインダーに飛び込む。

よく見るとトビよりもふた回りは大きく、背中の模様が印象的だ。


画像で検索してみたら、ほぼ間違いなく「ソウゲンワシ」とわかった。


目測で翼長2mほどはありそうだ。悠長なタイプの鳥らしいけれど、


なぜか一生懸命トビを追い払う動作をしている。目ぼしい餌でも落ちているのか。



トビが逃げ惑う





悠然・・・




数年前まで2羽のチョウゲンボウ(小型のハヤブサ)を飼っていたので、

猛禽を見ると、僕も妻もいくらかテンションがあがってしまうのが常だ。


峡谷に立つ、何本かの気流の柱にかかる度、

急激に上昇しては視界から幾度も消えてしまう。

斜め上に行ったかと思えばまた、

大きならせんを描いて降りてくる。

滑空とはよく言ったものだ。滑っているようにしか、見えない。



彼らの目には、この熱の柱が見えているのだろうかと思うほど

この仕組みを自在に使って飛び続ける。



20分ほど経ったころ、

もう上昇するサイクルには入らずに

下降だけを始め、細い川の流れる谷底に消えていった。



翌日、テルコットまでの道のりで、2度ほど木の枝にいるのを見かける。

体重はおそらく5㎏ぐらいあるのだろう、

留まった枝が大きな弧を描いて曲がっていた。






2012年5月20日日曜日

バンダは続く

王様がいなくなり、

民衆が自分で治める国になっておよそ4年。

揺れ動く政治と、あおりを受ける一般の暮らし。

僕は新聞を斜め読みするばかりの外国人だが、

最近ようやくその混乱を実感できるようになってきた。

ネパールバンダ -ゼネスト- が、かつてない頻度で起きているからだ。



王政廃止のあとに定められた暫定憲法が、

今月末を期限に正式憲法に変わろうとしていて、

各政党が要求を主張しあっては、今とばかりにバンダを繰り返している。




ひとつのバンダが解除されると、今度は別の政党が実施する。

大抵のデモや抗議で人が死に、あるいは傷ついている。

警官の動員バランスが崩れて、犯罪も増えているとか。


国民の利益と称していても、国民をいわば人質にとる。

不条理だが、この方法を一つ覚えのように続けている、


ネパール連邦 “民主” 共和国。




店も、交通機関も、官公庁もマヒした状態が数日続くと、移動も買い物もままならない。

子供たちの教育も、止まったまま。



唯一良いことには、工場が動かない分、停電が少くなる。

家に居ろ、ということか(笑)




近所の人たちは、バンダのない日本を羨ましいと言う。

テクノロジー、経済、仕事そのほか、ネパールにないものがたくさんあると。



けれどたくさんの日本人も日々の煩いや不安でいっぱいだよ、と言えば

ぽかんとした顔をする。

彼らの夢を壊すから、それ以上、日本のことは話さないけれど(笑)



目の前の騒乱を解決したいという思い。

将来への漠然とした不安をぬぐいたい、という思い。



国は違っても、
対峙するものは、同じではないかと思う、ネパールバンダの1日。


グルン族のおばあちゃん。コーラぐびぐび・・・味わって飲んでました(笑)












車を「手作業で」解体。夕方には跡形もなく。
脇目もふらず、働く人たちでした。

リキシャのおじさん、爆睡。
この距離でもいびきが・・・


父さんお迎え。タメルで。




















2012年5月12日土曜日

アンナプルナの山々に1





今回のトレッキングでは、3つばかりの狙いを定める。


1.プーンヒル(3190m)でアンナプルナ連峰の夜明けを観る

2.ワンランク上の体力を身に着ける(笑)

3.ネパール語を使って、現地の人たちと会話をする



早朝のタメルから、インターシティーのバスで6時間、

カトマンズから西へ200kmほどのポカラを起点に、アンナプルナ自然保護区を歩く。


ナヤプル、という集落がこのコースの開始点で、

そこから15分ほど進んだビレタンティという村にチェックポストがある。

あらかじめ取っておいた保護区への入域許可証を提示して、半券をもぎる。

名前、国籍、パスポート番号などを台帳に書き込む。

新緑眩しい・・・

















さらに歩くと、

今度は別の窓口でTIMS(Trekkers' Information Management System)という、

これまた事前に取得した、別の登録証を提示する。



ガイドやポーターを雇うのか雇わないのか、

なんだかんだのやりとりで、なかなか前に進めない。



コースに沿って流れる川を渡り、いよいよ・・・と思って歩き出すと、

先ほどの窓口のお兄さんが笑顔で前からやってくる。

渓流に突き出した眺めのいいテラスを指さして

「ここはうちがやってるんだ。チヤでも?」

というわけで早速の休憩。



進まないトレッキングのはじまり、はじまり。

石畳の道を歩き出す



笑う鈴。ロバ用か?

チヤだけのつもりが、珍しさで注文した川魚。
味は・・・ふつう(笑)

物資を運ぶロバの隊商。このあと幾度も出会います。















2012年5月1日火曜日

5ヶ月を過ぎて


去年から始まったカトマンズ暮らしも、丸5ヶ月を過ぎた。

最近、モノがよく壊れる(笑)。

停電対策のインバーター、ずいぶん活躍していたけれど
昨夜の送電器クラッシュで、蓄電機能がストップしてしまった。


修理のために取り外し、買った店まで持っていくのに、たぶん1日。



インターネットの接続もよく途切れるから、
PCとモデムの再起動を毎回繰り返す。結構な手間。

シャワールームのボルトが緩いので、
レンチで回したら、ボルトに亀裂が入っていて、
漫画のような噴水(笑)

ずぶ濡れになって、
ビニールテープで食い止めたけど、
大家と、水道屋を待ってすでに3日。


インド系のスーパーで買ったシャツ。

1回洗濯すると、ボタンが1つ落ちる(笑)
直さないまま試しに3回洗うと、
きちんと(笑)3個はずれた。4個目もぐらぐら。

そろそろ縫おう。


便利、快適求めてみても、
維持するためには、時間と労力。

約束通りに人は来ず、空振りすればその日は終わり。
明日のことは、わからない。



暮らしをシンプルにする、という目標も
日本での考えを持ち込み過ぎると、結局同じところに帰ってくる。

自分のペースが乱されても、
あるがままに、を受け入れる。怒らずに、笑う。

心配はその日の分だけ。


そういうことが少しだけ、
自然にできるようになった気がする、
この5ヶ月。



最近は、レモンソーダばかりを飲んでおります。某カフェ。