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2015年3月28日土曜日

ボス!ダンプ!ボス!その1


ネパールだけの話ではないが、

大家さんが自分の住宅の一部分を、フラットとして貸しているケースが多くある。

我が家も最近そんな場所に越してきた。


大家さんの敷地に出入りする人は多く、

フラット住まいの我々はその中の一員のように感じる事がある。

プライバシーが無いように見えるかも知れないが、

新しい人間関係に溶け込み、笑顔であいさつし、言葉を交わすことが、

1日を自然と明るく健全なものにしてくれる。


しかし、である。

人間関係ならぬ大家さんの飼い犬との関係には、正直やや怖気づいた。

巨大なオスのシェパード「ダンプ」は、立ち上がれば僕の肩に手(前足か)をポンと置けるほど

大柄で、なんだか瞳孔が小さめで金色に見えるその眼は、ジュラシックパークのT-REXを彷彿とさ

せる、と言っても過言ではない(過言かも知れないが。)。


かつて僕らが育った時代の犬は、見知らぬ人には吠え猛り、

飼い主が抑えようが叱ろうが、退治するのはこの俺だと言わんばかりで

最強の防犯ツールとしての役割を担っていたと思う。


ダンプはそんな番犬の古典的役割を期待されて育っている。

(ネパールで犬を飼うとは往々にしてそういう事だ。)

初日、恐る恐る声をかけた時の彼の唸り声は忘れることができない。

2m先からでも地面を伝わる、巨体に反響する低い声は、ジュラシックパークのT-REXを彷彿とさ

せる、と言っても過言ではない(過言かも知れないが。)。

で?

<続く・・・>

















 

2015年3月26日木曜日

アンナプルナの山々に8



予期していたほどの筋肉痛はなく、

目覚めは爽快だった。

今の時期のカトマンズでは感じることのない冷気。

大きく伸びをして起き上がり、2つの肺のすみずみに空気が入るイメージをしながら

窓際で深呼吸をすると、意識が急にしっかりとする。

宿の前の道を、背中に荷を満載したロバの行列が駆け抜ける。


コーヒーと、トーストと、スクランブルエッグ。

手作りのジャムとバターで頂いてさらに目が醒めた。

ディパックが笑顔で数字を言いながら請求書を作る。

お金を渡し、握手をするとその手を離さないまま話し続ける。

今日は登りのきつい石段があるからあまり無理をせず、

疲れたらポニー・サービスもあるよ。1人120ドルだけど、ワハハ!

などと相変わらずのディパック節に元気をもらう。

“フェリ・アウノス!(また、来てくれよ)、ナマステ!”



今日は一番の長丁場、ゴレパ二の街へと足を踏み出す。

ピークを越えると最初のヒマール(白く雪を被った山)が見えるはずだ。




カウベルならぬロバベル?がカランカランと山間に響く