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2012年2月22日水曜日

スマッシュが決まらない

日々ネパール語との格闘が続いている。


ちょっとした会話が通じも理解もできないときの残念感は、これまた苦しい。



とりわけネパール語の動詞の語尾活用は、人称や数、時制によるものだけでなく、

同じ人称でも尊敬度によって変化をする、という大変複雑なもので、

英語のように“三単現のエス”だけではまったく事足りない世界だ。

動詞ごとの不規則な変化が重なって、とにかく覚えられる気がしない。


ついさっきも、顔見知りのおじさんが一生懸命に笑顔で話しかけてくれたのに、

妻と二人して本当にわからなかった。本当に。


時折聞き取れる言葉から必死で推測を繰り返す。

“タパインハル”(あなたたちは)・・・
・・・”ギャス”(最近のガス不足の事か?何かいいルートを教えてくれるのか?)、
“ククラ”・・・(鶏肉がどうかしたのか?うまい店でもあるのか?)・・・。

食べ物の事なのか、口に手をやりながら嬉しそうに話し続けるのだ。



ただわかるのは、それほど大した事を話していない、という事だけだ(笑)


最後にはキメぜりふで逃げる。

“ネパリバーサ、デレイ ガーロ ツァ(ネパール語はとっても難しいね)”・・・



かつて某英会話学校で教えていたとき、
生徒たちが上手に英語で表現すると、
卓球のラケットでスマッシュが決まるイラストを見せて、誉める。というのをやっていた。
通じた爽快感と達成感を脳に刻むために。


けれど今、僕の頭の中では日々すごい数の空振りと、
当たっても決まらないスマッシュの連続だ。

何とかして1本、決めてみたいと
今日もテキストを開く毎日・・・。


今朝の窓から。ネパール語の陽も、昇るのか・・・。













2012年2月17日金曜日

生活感が

中央郵便局に日本からの荷物を取りに行き、
そのあとアサンを歩いて抜けた。

今日の混み具合も尋常でないから、
前回の混雑は特別ではなく、いつもの事なのだろう。

人、バイク、リキシャ、時には車までが、大体同じゆっくりしたスピードで
うごめきながら、目的の場所へと向かう。

以前は、こんな中で妻を見失わないように
ずいぶん気を使ったけれど、
そんな緊張感が無くなっていることにも気づいた。
視界から消えない範囲で、街を楽しめるようになったようだ(笑)。

しかも、後ろから横からやってくるバイクや車の気配を感じて、
携帯で話しながらでも、ひょいと自然に避けられるようになっている。


街のリズムに身体が馴染んだ、とかそんな悠長なものでなく、
どうも危険回避能力(笑)が発達したらしい。




ごった返すアサン。いったい何人いるのかと、考えるだけ無駄な感じが。




市場での買い物も、通じなくても店主に交渉を挑むようになったし、
新しい車のタクシーに乗ったら、
ためらうことなく「すごくいいね」と誉めたりして、
運ちゃんの笑顔を見れるようにもなった。


風邪をひいても、停電ばっかりでも、ガス不足でも
もうその時に考える。

人混みを泳いで、糧を得て、友とチヤを飲んでいると、
毎日不安を感じている時間などない。



旅行から「暮らし」に、毎日が変わりつつある。






2012年2月10日金曜日

街のホットステーション?


我が家から歩いて5分。便利な店が。

ヤマサの醤油ののれんが・・・















醤油はもちろん、マグロの切り身にウナギの蒲焼、スーパードライに味の素・・・。
日本人のニーズに応えるなかなかの品揃え。もちろん値段はそれなりに高い。


大体朝7時から夜6時ごろまでの営業で、土曜日はお休み(笑)

名前は同じでも、営業形態は他の店と同じ。

こんな商売をしているから、日本びいきかと思ってある時店主に

「日本にはよく買付けにいくの?」

と、親しく話しかけてみた。


彼女は小さな声で

「イエス」とただ一言。目も合わせてくれない。

名前までコピーしていることをちょっと後ろめたく思ってなのか、
ただ応対が面倒なだけなのか。

いずれにしても「ローソン」をネタに盛り上がることもできず、すごすごと帰った。
“街のホットステーション”からは、ほど遠く。。

次回は、隣の街にある、「セブンイレブン」にもトライしよう。

ちょっとは“いい気分”にさせてくれるかな(笑)


何年式か、トヨタカローラ。
時代を超えた日本のカケラがある街です。














2012年2月6日月曜日

スウェンブーの麓で

遅れていた3度目の予防接種を受けるために、
スワヤンブナートチョークにやって来た。

スワヤンブナート、とは
丘の上に立っている世界遺産指定の寺院。
街の人たちは“スウェンブー” と呼んでいる。

短くて言いやすい。


薬局で買ったワクチンは、アイスパックで冷やす必要があるので、
初夏のような暑さにやや焦りつつ、クリニックへと急いだ。

 しかし、しかし。

予定していたクリニックにドクターは不在。

仕方なく近所で聞き込みをして別の病院に行き、
そこで事情を話すと、すぐにOKしてくれた。


古びた部屋に、破れた診察台。
帽子以外は普段着の看護婦さん。
ドクターはワクチンの箱をあけて、なんだか頼りない様子で準備を始めている。

空恐ろしい場面だけど、最近は僕も妻もこういうのには慣れてきた。

小さなワクチンのビンを手のひらに挟んでコロコロ回す撹拌をやって差し上げる。

にっこり笑って、彼らも同じようにやってくれる。

不思議な、ゆるい信頼関係が生まれるのだ(笑)。


無事に接種を終えて病院を出ると、
どちらが言い出すこともなく、スウェンブーの丘に登る。

カトマンズが一望・・・と思いきや、
濃いスモッグに覆われた、世界遺産の街が見えた。


霞む






















土産屋台の女性。携帯で話し続けていた。