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2012年4月8日日曜日

交渉ゲーム

マイカーのない暮らしだから、

荷物の多い日や疲れた日にはタクシーを使う。


一応はメーターの法定料金なるものはあるらしいが

それに応じてくれた運転手は、今までにたった1人。

やはり毎回交渉がいる。ちょっとしたゲーム感覚だ。


まず顔の前で手を合わせて、笑顔で空気をほぐしながら
運転手が目的地を知っているかどうかを訊く。


この時、本当は知らないのに「知っている」と言う人が多く、
それを信じると遠回りされた上に
その分の料金まで上乗せされる可能性が高い。

無数にある、“カトマンズの不条理”のひとつだ(笑)。

いくつかの近隣の地名も並べながら、彼の目をしっかり見て(笑)確かめる。


次に料金を提示しあう。

運:「ティンセイパチャス(350Rs)」

相手が外国人だと見ると、相場に少なくとも100Rsは乗せてくる。




すぐには答えない。

彼の目をじっと見て数秒すると、ふっかけた事に気付かれたと
目を逸らしはじめるのだ(笑)。

そこで、

「エクセイパチャス(150Rs)!」と僕。

本当は200でもいいけれど、そのちょっと下から始めるのが良い。


当然うんざりした顔で首を振る。

こっちも同じ動作と顔で拒む。
そして車の「前方」に歩き出す。毅然と背中を見せるためだ。


ここで背後からクラクションが聞こえれば、ひとまず勝ちだ。
運転手は諦めた顔で「乗れ」と言う。




でも目的地が近づいたころ、やっぱり料金が不満な彼は次々不平を並べだす。

「こんな中まで入る道だったらあと50Rsだ。」
「ここから客は拾えないから帰りの分も払ってくれ。」
「日本は仕事がたくさんあるんだろ」
しまいには「俺には子供が5人もいるんだ。」などと言いだす始末。

アクセルをふかしては不機嫌をアピールする。



苦笑しつつも彼の肩をたたき、

「そうかそうか大変だね。ネパールはガソリンも高いもんねぇ。ありがとねぇ。」


運ちゃんを優しくなだめながら、

結局僕は辛い空気に幾らかのチップを乗せてしまうのだ。

負けた。




交渉のゲームは、降りるときまで、終わらない(笑)


うなだれる、中央分離帯。










































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