マイカーのない暮らしだから、
荷物の多い日や疲れた日にはタクシーを使う。
一応はメーターの法定料金なるものはあるらしいが
それに応じてくれた運転手は、今までにたった1人。
やはり毎回交渉がいる。ちょっとしたゲーム感覚だ。
まず顔の前で手を合わせて、笑顔で空気をほぐしながら
運転手が目的地を知っているかどうかを訊く。
この時、本当は知らないのに「知っている」と言う人が多く、
それを信じると遠回りされた上に
その分の料金まで上乗せされる可能性が高い。
無数にある、“カトマンズの不条理”のひとつだ(笑)。
いくつかの近隣の地名も並べながら、彼の目をしっかり見て(笑)確かめる。
次に料金を提示しあう。
運:「ティンセイパチャス(350Rs)」
相手が外国人だと見ると、相場に少なくとも100Rsは乗せてくる。
すぐには答えない。
彼の目をじっと見て数秒すると、ふっかけた事に気付かれたと
目を逸らしはじめるのだ(笑)。
そこで、
「エクセイパチャス(150Rs)!」と僕。
本当は200でもいいけれど、そのちょっと下から始めるのが良い。
当然うんざりした顔で首を振る。
こっちも同じ動作と顔で拒む。
そして車の「前方」に歩き出す。毅然と背中を見せるためだ。
ここで背後からクラクションが聞こえれば、ひとまず勝ちだ。
運転手は諦めた顔で「乗れ」と言う。
でも目的地が近づいたころ、やっぱり料金が不満な彼は次々不平を並べだす。
「こんな中まで入る道だったらあと50Rsだ。」
「ここから客は拾えないから帰りの分も払ってくれ。」
「日本は仕事がたくさんあるんだろ」
しまいには「俺には子供が5人もいるんだ。」などと言いだす始末。
アクセルをふかしては不機嫌をアピールする。
苦笑しつつも彼の肩をたたき、
「そうかそうか大変だね。ネパールはガソリンも高いもんねぇ。ありがとねぇ。」
運ちゃんを優しくなだめながら、
結局僕は辛い空気に幾らかのチップを乗せてしまうのだ。
負けた。
交渉のゲームは、降りるときまで、終わらない(笑)
荷物の多い日や疲れた日にはタクシーを使う。
一応はメーターの法定料金なるものはあるらしいが
それに応じてくれた運転手は、今までにたった1人。
やはり毎回交渉がいる。ちょっとしたゲーム感覚だ。
まず顔の前で手を合わせて、笑顔で空気をほぐしながら
運転手が目的地を知っているかどうかを訊く。
この時、本当は知らないのに「知っている」と言う人が多く、
それを信じると遠回りされた上に
その分の料金まで上乗せされる可能性が高い。
無数にある、“カトマンズの不条理”のひとつだ(笑)。
いくつかの近隣の地名も並べながら、彼の目をしっかり見て(笑)確かめる。
次に料金を提示しあう。
運:「ティンセイパチャス(350Rs)」
相手が外国人だと見ると、相場に少なくとも100Rsは乗せてくる。
すぐには答えない。
彼の目をじっと見て数秒すると、ふっかけた事に気付かれたと
目を逸らしはじめるのだ(笑)。
そこで、
「エクセイパチャス(150Rs)!」と僕。
本当は200でもいいけれど、そのちょっと下から始めるのが良い。
当然うんざりした顔で首を振る。
こっちも同じ動作と顔で拒む。
そして車の「前方」に歩き出す。毅然と背中を見せるためだ。
ここで背後からクラクションが聞こえれば、ひとまず勝ちだ。
運転手は諦めた顔で「乗れ」と言う。
でも目的地が近づいたころ、やっぱり料金が不満な彼は次々不平を並べだす。
「こんな中まで入る道だったらあと50Rsだ。」
「ここから客は拾えないから帰りの分も払ってくれ。」
「日本は仕事がたくさんあるんだろ」
しまいには「俺には子供が5人もいるんだ。」などと言いだす始末。
アクセルをふかしては不機嫌をアピールする。
苦笑しつつも彼の肩をたたき、
「そうかそうか大変だね。ネパールはガソリンも高いもんねぇ。ありがとねぇ。」
運ちゃんを優しくなだめながら、
結局僕は辛い空気に幾らかのチップを乗せてしまうのだ。
負けた。
交渉のゲームは、降りるときまで、終わらない(笑)
うなだれる、中央分離帯。 |
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