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2015年4月2日木曜日

参りますとも

カリボット、という場所へ行かなければならなかったのだが

行き方がわからない。

大体のところを人に訊いてから出かけるものの、

やはり途中でまた誰かに訊ねることになる。


縦横無尽のマイクロバス路線、行き先プレートがあったりなかったり、

目的地を叫ぶバスのカラッシー(車掌、とでもいおうか。中学生くらいの子供が多いのだが。)も

きちんとそれを発音してはくれない。というか聞き取れない。



停まって欲しいオーラを出しつつ路傍に立っていると、

バスは速やかにスピードを落として近づいてくる。

“カリボットに行くか?”バスを指さして訊いてみる。カラッシー首を振る。

次も同じ。

3台目でようやく首が横に傾く。(参照:首をかしげて)乗れと身振りで示されバスへ。


カリボットがあると思われる道で曲がらなかったので、

念のため再度“カリボットへは行くんだよね?” と確認。

カラッシー大きく首を傾けて “ジャンチャ、ジャンチャ(参りますとも)”と繰り返す。


しかし、である。(最近これが多い)

カリボットは空港までは行かない、と聞いていたので、

カラッシーが開けたドアの頭上に小型飛行機がかすめて飛んだ時、悟った。

カトマンズには“カリボット”がまだ他にもあり、僕はそこに連れて行かれるのだと。

こうなれば、そっちの“カリボット”をこの目で見てやろう、

などとつまらない意地でそのまま乗っていくことにした。(本家カリボットも知らないくせに)



15分後、特にどうということもない、工事中の広い道路の広がる“カリボット”に降り立ち

どうやって帰ろうかと考える僕がいた。



発音は通じるようになっても、まだまだ街のことを分かっていないから

こんなことになる。

適当に乗ったテンプーは馴染みの街へ。
無事に帰れましたとさ。



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