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2012年9月5日水曜日

アンナプルナの山々に5




宿の皆が食事を終えるころ、

厨房の中でネパール人たちが

ネパールの地酒ロキシ―を片手に盛り上がる。



明日の朝食メニューを見に行っただけの僕は、彼らに即座につかまって、

自家製のロキシーをあてがわれて座る。

少し荒削りな米焼酎のような味。でもやわらかくて香ばしくて、すぐに好きになった。



ディパックは皆の真ん中で楽しそうに話し、

時に踊るような大きな身振りとオチで笑わせる。



うまくいっていないビジネスをネタにしているようだ。

心から楽しそうに。

そんな気持ちとみんなの笑う声が部屋に充満していて、

冷え込むヒマラヤの夜もここだけは暖かく、ゆっくり時間が流れる。


各国のトレッカーたちのリラックスもいろいろで、

ドイツの青年たちは素早くベッドにもぐったのか、部屋から物音ひとつもしない。



アメリカ人カップルは、屋外のテーブルで二人、温かいロクシーを飲みながら、

「ショウチュウに、ウメボシいれて飲みたい」などと言っている(笑)

日本で住んでいたことがあるとか。



ネパール人たちはお酒がすすんでくると、なぞなぞを言い合ったり、

おバカな話でゲラゲラ笑い、大盛り上がりするのが好きだ。



ひとしきり笑い、明日のコースを確かめあうと、さすがに眠気がやってきた。

明日は朝の7時発。寝よう。



その数秒後。

2階に上がる階段で、

満天の星に、息をのむ。



宿の庭で。

  
 


石の屋根瓦。留めるための楔(くさび)まで石でできています。
 

宿から見下ろすと、ミュール(馬とロバの掛け合わせ)
周りが静かだから、2階まで草を食む音がはっきり聞こえます。









 

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