京都は「碁盤の目」と言われる四角い街。
カトマンズは、なんとなく「卵型」。
その形に沿って全長約27kmの「リングロード」と呼ばれる道が走っている。
幅は大きいところで40mくらいだろうか。
名前の通りのリングだから、走り続ければいつか同じところに戻って来れる。
つまり、このリングロードをたどっていくと、カトマンズの大抵どこにでも行けてしまう。
もちろんショートカットは幾らでもあるけれど。
リングロードを南北縦に割る、通称「5番道路」があり、
その道とリングロードの最北の交点は、「チャクラパット」*と呼ばれている。
南東角からすこし南に巨大なアメリカ大使館、
北東にはカトマンズきっての大型スーパー「バトバティーニ・スーパーストア」がある。
カトマンズでは知らない人はいません。 ホコリまみれの看板ですが。 |
市内各方向にバスが発していて、いわゆる「交通の要衝」と言える場所だ。
西に行けば、お馴染みの世界遺産、仏塔「スワヤンブナート」(スウェンブー)、
東に行けばトリブヴァン国際空港方面へ。
やがて2つの道はリングロードの南端、「パタン」という街で出会う。
市内の要所要所で、大きな道と交差しては、
それぞれに繁華な商業地区を作り出す。
車線はいくつ?という問いはほぼ無意味で、
速い奴らが前に出るデッドヒートがいつもある。
車検という概念のないエンジンからは真っ黒な煤煙、
弱い路面と未舗装の路肩からいつも凄まじい埃が舞い上がる。
挑発か威嚇か、クラクションの応酬に目がくらむ。
微妙な左右への蛇行にアップダウン、突如現れる大きなへこみに、
バスの乗客としては一瞬たりとも気は休まらない。
降りた時の安堵感といったら。
そして悠然と歩く牛たちに、交通社会のリズムは乱される(笑)
Google マップの色合いは世界各国同じだけれど、
現場はかなり、シビアなのです。
夕方ラッシュのチャクラパット。 バス、車、バイク、自転車に歩行者ときどきリキシャ。 |
ホコリ、ほこり、埃。 何とかならないものか。 |
我が家の屋上から。 画面中央、左右に走る木々が、リングロード路肩の植え込み。 |
*ネパール語で“リング(輪)”は“チャクラ”、“ロード(道)”は“パット”。
つまり、リングロードをネパール語で「チャクラパット」と言う。
正式名称は「ナラヤン・ゴパール・チョーク」。
国民的歌手にちなんだ名前とか。
リングロードの中でも代表的な交差点(チョーク)であることがその所以と思われる。
京都の長い河原町通りも、四条、三条あたりを「かわらまち」と呼ぶように。
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