日々、計画停電は当たり前の顔で続いている。
週62時間だから、1日8時間以上は電気がない毎日だ。
ところで、電気はネパール語で「バッティ」。バッテリの訛りだろうか。
停電の瞬間になると、アパートの上や下、ついでに近隣から、
「バッティ、ガヨー!」の声が聞こえる。
訳せば「電気が“去ってしまった、行ってしまった”」という意味だが、
分かりきった状況をわざわざ毎回声に出してリアクションを見せるから面白い。
(ガヨは、原形が「ジャンヌ」で、完了形が「ガヨ」)
電気が“去る”の反対は“来る(アウヌ)”。
停電が終わった瞬間は、“電気の到着”、とでも言うのか、
「バッティ、アヨー!」の叫びがまた聞こえる。子供の声、大人の声。
嬉しそうだ。
しかし今日は、夕方いつもの30分遅れでバッティが “アヨ”、したのに
その30分後に“ボン!”と言う音がして、
また“ガヨ”してしまった。火花が見えたと、妻は言う。
訊けば、電線から電気を送る装置がクラッシュしたということだ。
いつ、直ることやら・・・
近所はまた、漆黒の闇。
番狂わせにさぞかし苛立つかと思いきや、すぐにまた皆楽しそうに笑っている。
“バッティ、アヨ パチ ガヨー!(電気が来たと思ったら、またいっちゃったー)”
・・・この危機感のなさには影響されまい、
とは思っていたが、なんかもう、どうでもよくなってきた。
怒っても、笑っても、夜は更けていくのです。
一応使えるようです。アサンで。 |
午後は空港に、アメリカに帰る友人を見送りに。 次に会えるのは、いつの日か。 |